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共同研究紹介


基盤研究(A)「現代アメリカ・ナショナリズムの複合的編制をめぐる学際的研究」

研究代表者:古矢 旬

 本科研では、21世紀初頭の混迷する国際社会の動向に、現代の「帝国」アメリカへの理解を深化させることによって一定の見通しを与え、同時に地域研究としてのアメリカ研究の革新を目指している。すなわちアメリカの国家の行動の源泉を、アメリカ・ナショナリズムを通して明らかにしようと試みるものである。初年度は特に、アメリカ・ナショナリズムを、憲法的な統治原理、人種・エスニック的な社会関係、宗教の政治的影響力という三つの視角から再検討してゆく。そのうえで次年度以降はそれらの個別的成果をつきあわせ、さらに新たなデータを取り入れながら、アメリカ・ナショナリズムの全体像の再構成を試みてゆく。  アメリカ・ナショナリズムという多面的な現象を学際的に解明するために、研究グループは、歴史学、政治学、憲法学、宗教学、文学、国際関係論、地域研究等の一線で活発な研究を推進している多様な分担者によって編成されている。各分担者は、全体研究会において共同研究を推し進める一方、それに並行して「政治的ナショナリズム班」「人種(エスニック)的ナショナリズム班」「宗教的ナショナリズム班」の三班に分かれ、専門性を深めるために小規模な研究会も適宜行ってゆく。2007年9月29日には最初の大規模な研究会として、元ヨーロッパアメリカ学会会長で現在アムステルダム大学名誉教授のRob Kroes氏と米国・テンプル大学教授のDavid Farber氏を報告者として招き、専門家会議(題目 “Anti-Americanism: History and Structure”)を行う予定である。


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